2012年3月8日木曜日

薩摩川内市にトリウム溶融塩炉の建設はどうだろう


 福島原発の事故により、トリウム溶融塩炉と言うものが注目されつつあります。

さよならウラン、こんにちはトリウム:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110405/219323/?rt=nocnt
 津波が福島ウラン原子力発電所を襲い、原子力に対する国民の信頼を失うことになる数週間前のこと。中国はトリウムをベースとする原子力発電の技術開発に乗り出したことを公式発表した。このことは、あまり注目を浴びることなく見過ごされた。 
 中国科学院は、「トリウム溶融塩炉システムを選択した」と述べている。 
 この、液体燃料のアイデアは、もともと1960年代に米国のオークリッジ・国立研究所の物理学者たちによって切り開かれた。しかし、米国は持っていたボールを落としてしまったのである。 
 中国の科学者たちは有害廃棄物がウランより1000分の1以下になり、トリウム溶融塩炉は、本質的に悲惨な事故を起こしにくいシステムなのだ。
(Ambrose Evans-Pritchard)
 福島原発事故は、結果的に原子力産業に再度“足かせをはめる”契機となりそうだ。 
 日本に設置されている固形燃料ウラン原子炉は時代遅れの技術であり、より安全でかつコストの安い、全く異なった種類の核エネルギーによって置き換えられ、次第に消えていくだろうといった議論がここ数年の間に始まっていた。それが、トリウム液体燃料原子炉である。 
 トリウムは連続的にウラン233を作ることによってトリウム自身の燃料を生み出し(=増殖させ)、同じ量の燃料からウランの約90倍のエネルギーを生み出すことができる。ウラン233の核分裂反応によってプルトニウムその他核兵器製造原料を発生することがない。トリウム溶融塩炉方式では、燃料が最初から溶融しているのだから、燃料棒のメルト・ダウンということはあり得ない。そして、核反応は冷却に従って減速される。 
 新しい技術は、常に完成するまでに成熟したライバル技術と格闘することになる。しかし、トリウムのライバルであるウランはすでにコスト面で沈没した。 
 最初の鉄道ができた時、コストあるいは信頼性で運河と競争できなかった。今こそ、トリウムのポテンシャルを見いだすことを始める時だ。
(by Matt Ridley)

 トリウム溶融塩炉の実証試験は米国で1960年代にされています。

 それが日の目を見なかったのは、トリウム溶融塩炉では原爆に必要なプルトニウムが生産できないと言う事情がありまして、戦争をビジネスと考える米国政府にとっては価値の無いものに見えたのでしょうな。

 もちろん米国の核の傘の下にいる日本も、このトリウム溶融塩炉を使うわけにも行きませんから、この辺の情報は表に出されることはなかったのでしょう。

 もっとも、最近では自称保守のかたがたが「日本も核兵器の保有を!」と口にしておりますから、日本においても核兵器の保有のためにトリウム溶融塩炉の情報が隠されていたのかも知れませんけどね。


 私は、核兵器の保有を口にする自称保守の連中が大嫌いです。

 明らかに国際法違反の核兵器を保有することを、日本の英霊が許すとは思えませんからね。

 国際法を律儀に守って闘っていたのが、日本の英霊でもあります。(もっとも、米国などの戦勝国の歴史観でそれが歪められて教育されてますから、誤解してる者も多いですけどね。)

 米国に媚を売らない姿勢の政治が行われていれば、日本では早くからこのトリウム溶融塩炉が現在の危険な原子炉の代わりに建設されていたかも知れませんが、残念ながら過去は教訓としてしか活かすことはできません。


 日本に溜まるプルトニウムを消化してくれるトリウム原子炉
 軽水炉と太陽光の弱点補うトリウム原子炉(1)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1507

 トリウムはそれだけでは燃料にはならないのですが、現在の原子炉でつくられた産業廃棄物のようなプルトニウムを着火剤みたいに利用すれば、燃料として使えるようになりますので、プルトニウムの処分が出来ます。

 そしてトリウム自体も産業廃棄物のようなもので、電気自動車に使われるレアアースのついでに採掘されますんで、これほど都合の良いものはありません。
電気自動車等の材料になるレアアースの副産物として産出されるトリウムが、再び脚光を浴びている。 安全性が高く発電出力を調整できるトリウム原子炉(溶融塩炉)を 実用化することができれば、軽水炉や自然エネルギー発電の補完にもなる。

トリウム溶融塩炉 安全、安価で小型
軽水炉と太陽光の弱点補うトリウム原子炉(2)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1509

 現在の原子炉と違って、電力の需要に応じた負荷追従運転ができますので、風力や太陽光などの自然エネルギーのバックアップにも使えます。

 基本的に安全で小型化できますから、原発交付金みたいな無駄なお金も不要で、必要なところに分散して建設できます。

 現在の原子力発電は、原発交付金や使用済燃料の処分のコストなどを考慮しますと、とんでもないほどに経済効率の悪いものなのですが、トリウム溶融塩炉はそう言う無駄なコストを削減できるだけでなく、使用済核燃を安全に処分することにも使えるのですな。


 さて、タイトルの話になります。

 薩摩川内市は3号機増設を見込んで、さまざまな投資が行われてきましたが、福島原発の爆発の事故によりそれは凍結されましたし、1・2号機の再稼動もできない状態です。

 原発を稼動させてこその原発交付金でありますから、その原発交付金も大いに削減されますし、九州電力も原発がただのお荷物になってしまいましたので、施設の維持・改修の仕事の予算も削減されることになってます。


 とは言うものの、3号機の増設や1・2号機の再稼動は世論がそれを許すはずがありません。

 ゆえに、その1・2号機と3号機の代わりに、トリウム溶融塩炉の建設を九州電力や国や県に要望することを求めてはどうかと思うのですな。

 思いっきり、原発利権に喧嘩を売ることになりますが、薩摩川内市民や全国の支持を得られると思いますから、私は可能だと思います。

 東芝や日立だって、トリウム溶融塩炉の建設は仕事になるわけですから、反対する理由は無いでしょうね。「政治が悪かった。」ですませ関係者を処分すれば良いだけの話です。

 困るのは、原発利権で美味いメシ食ってた政治家と官僚と学者ぐらいのものです。


 川内原発の3号機の予定地にトリウム溶融塩炉を建設しますと、既存の送変電設備が使えますから、無駄が無いのですね。

 1・2号機を廃炉にしようにも、電気を売って稼がなければ九電も電気代に上乗せするしか無いわけですが、トリウム溶融塩炉を建設すれば、1・2号機の廃炉にも役立つわけです。

 既存のタービンや発電機を流用できれば、さらに無駄が無いわけですね。



 県や国に媚をうったところで、原発利権を延命させるだけのことで、薩摩川内市の経済の活性化にはつながらないと思います。

 原発交付金なんて無駄なお金にたかり続けるか、沈みつつある薩摩川内市の経済活性化のためにトリウム溶融塩炉の建設を九州電力や国や県に求めるか、薩摩川内市の腕の見せ所だと思います。


  ただし、川内原発の1・2号機の温排水の排出量は、川内川の流量に匹敵すると言われるぐらいに環境破壊の原因となっていますので、今後はきちんとそう言う問題を考慮しつつ進めることが大事でしょうね。

 基本的に安全で小型化できますから、需要家のそばに建設することも出来るわけですからね。

 自分の街だけとか狭い了見で考えていたら、全国の支持は得られないでしょうね。


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